Wordの検索機能について。毎回忘れてしまう特殊文字やワイルドカードの使い方&意外と使える便利機能をまとめました。意外としらない、見出しや太字などの書式を対象とした置換テクニックなども。
✓注意:一括置換をするときは、実行前に保存推奨!
基本のショートカット(検索&置換系)
操作 | ショートカット |
---|---|
検索 | Ctrl + F |
検索と置換(通常) | Ctrl + H |
詳細検索 | 検索画面でオプション > をクリックして展開(※これ大事!) |
あいまい検索をオフ | 検索画面で検索オプション > あいまい検索をオフ にする |
ワイルドカードON | 検索オプション > ワイルドカード使用 にチェック |
✓下記に紹介する機能のほとんどは、「詳細検索」を表示し、「あいまい検索をオフ」を前提としています。
選んだあと、「検索文字列」は空欄のままでOK!
=「この書式の段落を探して」っていう意味になる!
「特殊文字一覧」まとめ。検索/置換
基本の構文:
検索欄 or 置換欄に下記の文字列を入力(^
から始まるのが多いよ!)
基本操作系
表示名 | 入力する記号 | 内容/用途 |
---|---|---|
改行 | ^p | 通常の段落区切り(Enter) |
任意の1文字(ワイルドカード) | ? | 任意の1文字にマッチ(ワイルドカードON時) |
改ページ | ^m | 改ページ挿入(ページ分割) |
タブ | ^t | Tabキーによるインデントや整列 |
セクション区切り | ^b | セクションの区切り(見えにくい!) |
手動改行(Shift+Enter) | ^l (小文字のL) | 段落ではない行送り(ページを変えず改行) |
手動ハイフン | ^~ | 手動で挿入したハイフン |
非改行スペース | ^s | 改行しない空白(半角スペースと区別) |
特殊記号・記述要素
表示名 | 入力する記号 | 用途・メモ |
---|---|---|
任意の数字 | [0-9] | ワイルドカードON時に使用 |
任意の文字列 | * | 複数文字にマッチ(ワイルドカードON時) |
段落記号 | ^13 | 改行と同じ(= ^p )だが使い分けることも |
フィールドコード | ^d | 自動生成の要素(ページ番号など)に |
非表示文字(オブジェクト) | ^g | 図表などの埋め込みオブジェクト(削除に便利) |
使い方の例(便利系)
- ダブル改行を1つに:
検索^p^p
→ 置換^p
- 改ページを削除:
検索^m
→ 置換(空欄) - 全角スペースを半角に:
検索 → 置換 - 「章タイトル」だけを拾う:
検索^p章*^p
(ワイルドカードON)
謎の検索オプションまとめ(解説つき)
チェック項目 | 内容 | よく使う? |
---|---|---|
大文字と小文字を区別する | 「Word」と「word」を別物として扱う | ◎ |
完全に一致する単語を検索する | 「cat」だけを検索。「catalog」は含めない | ○ |
ワイルドカードを使用する | 正規表現風の検索ができる(* や[a-z] など) | ◎ |
あいまい検索を使用する | スペルミス・類義語もヒットする(※超不安定) | △(基本オフ) |
類義語を検索する | 「happy」→「glad」などもヒット(英語限定) | △ |
すべての単語形式に一致する | 「run」→「ran」「running」なども拾う(英語) | △ |
接頭辞に一致する | 「pre」→「preview」「prepare」などがヒット | △(語根系) |
接尾辞(語尾)に一致する | 「ing」→「walking」「running」などがヒット | △ |
句読点を無視する | 「こんにちは。」と「こんにちは」も一致とみなす | △ |
空白を無視する | 半角・全角・改行もスルーして検索(英語向け) | △ |
書式を無視する | 太字や斜体があっても無視して文字で検索 | ○ |
読みを無視する | 読み方が違ってもヒット(漢字やルビなどの影響) | 日本語環境特有!◎ |
よく使うベスト3
- 大文字小文字を区別
- ワイルドカード使用
- 完全一致する単語を検索(リスト処理に便利)
✓他の検索オプションって日本語だとあまり需要ない&あまり使いません。
おまけ:知っておくと得するポイント
- 「ワイルドカードを使用」にチェックすると、
他の一部オプション(あいまい検索など)は自動で無効化される - 「書式」や「スタイル」も書式ボタンから追加で組み合わせ可能!
検索・置換で【地味に最強】な機能・使い方7選
① ワイルドカード検索(正規表現っぽいやつ)
例:
([0-9]{4})年
→ 西暦だけ拾いたい[一-龥]{2,}
→ 2文字以上の漢字のみ検索 使い方:
「検索と置換」→ オプション → “ワイルドカードを使用”にチェック!
ワイルドカードONにすると、
*
= 任意文字列 /?
= 任意1文字になるよ
② 書式を検索や置換対象にできる h2 や 太字など
検索や置換メニューから 検索画面で「オプション >」 をクリックして展開し、左下の「書式▼」から進む。
(※検索メニューが深すぎて発見できてない人多数)
- 太字だけ探したい! → 「検索と置換」→
書式 > フォント > 太字
を選択 - スタイル「見出し2」だけ探す →
書式 > スタイル > 見出し2
これは文字じゃなく“装飾”そのものを検索できる裏技!
置換時にも「書式の削除」や「別スタイルに変更」が可能。
✓ページ下部で深堀
③ 「特殊文字」ボタンから一発入力
^p
や ^m
を覚えてなくてもOK!
検索ダイアログの下にある【特殊文字】からクリックで選べるよ。
(※ダイアログ下部にある「その他 >>」で表示拡張 → ボタン出現)
④ 置換結果を“ハイライト表示”にできる
やりかた:
- 検索と置換を開く
- 「書式 > ハイライト」にチェック入れたまま置換実行
これで置換された場所に蛍光ペンが入る!あとから見返しにも便利。
⑤ 段落全体の末尾だけをターゲットにする
例:
文末の句読点の修正 → 。^p
を検索し、 .^p
に置換
→ 全部ピリオドに変わる!
(これ、句点変更や記号スタイル統一で地味に超使える!)
⑥ 複数ページにまたがる表記の調整
📃 例:
「”」の閉じがページをまたいでバラバラ!みたいなとき、
正規表現風に "(*)"
→ 「\1」
で一括変換できる!
(ワイルドカードON時に ()
と \1
のペア使えるよ!)
⑦ “目次除外”や“注釈だけ”を対象にしたいとき
→ 実は検索ダイアログの【検索対象】で
「本文だけ」or「脚注だけ」or「ヘッダーだけ」が選べる!
番外:置換後に【“ジャンプ”で確認】するとミスが減る!
- 置換を実行したあとに
Ctrl + PageUp/PageDown
でジャンプ Shift + F5
で直前の変更箇所に戻ることもできる!
文頭・文末の無駄スペースやタブ、実は置換でも消せる!
(VBA不要。工夫必要。バックアップ推奨)
文頭のスペース or タブを消す
検索:^p[ ^t]{1,} 置換:^p
解説:
^p
:段落の始まり[ ^t]{1,}
:スペース or タブが1つ以上 → ワイルドカードONが必要!
文末のスペースを消す
検索:[ ^t]{1,}^p 置換:^p
解説:
- 段落末にある空白やタブをまとめて削除!
- こちらもワイルドカードON必須(✓ワイルドカードを使用)
連続する改行を1個にする
検索:^p^p 置換:^p
(または ^13^13
→ ^13
でもOK!)
✓これは普通の置換でできるから簡単✨
繰り返し実行すれば、3連続→2連続→1個に収束する!
⚙️ ただし注意点…
- 文頭/文末のスペース“のみ”を全段落から一括削除するような、
「見えない条件つき」の検索は限界がある - そういうときは、**手動、またはVBAが確実 **
書式で置換(見出し や 太字など。H2→H3)を検索条件にする方法-深堀
Ctrl + H
で「検索と置換」を開く- 下の【その他 ≫】をクリックしてオプション表示
- 「検索する文字列」の欄がアクティブな状態で、
左下部の【書式▼】から → フォント/スタイル/段落/ハイライトなど選ぶ。
✓書式を選んだあとは、「検索文字列」は空欄のままで検索を実行すると、
=「この書式の段落を探す」というう意味になる。
これ、深すぎてなかなかたどりつけないメニューなので、長年使っていても知らない人多数では?
✓注意:一括置換をするときは、実行前に保存推奨!
例:太字だけ検索したいとき
- 検索欄:空欄
- 書式:フォント → 太字選択
→ 置換欄に「何もなし」+ 書式削除 → “太字だけをリセット”みたいなことができる!
スタイル「見出し2」だけを検索したいとき
- 検索欄:空欄
- 書式 → スタイル →
見出し2
を選択
→ ページのどこにあるかだけでなく、「どの見出しだけが本物か」も確認できる!
先に確認!Wordの書式置換の結果はどうなるの?
結論から言うと:
「検索:スタイル ‘見出し2’」+ 置換欄に何か入れると → 見出しの中身の文字が書き換わる
でも
「置換欄を空にして 書式だけ指定」すると → 既存の見出しに“別の書式”が適用されるだけ
→ <>スタイルの上書きができるわけではない!!
パターン別で整理する:
検索:スタイル「見出し2」+ 置換:タイトルです
→ “見出し2に設定されたテキスト”そのものが「タイトルです」に置き換わる”!
- 置換前:
見出し2:はじめに
- 置換後:
見出し2:タイトルです
※つまり、“中身そのものをすべて上書き”する挙動!
検索:スタイル「見出し2」+ 置換欄:空(=未入力)+ 書式:太字OFF
→ 🔧 見出し2の文字内容はそのままに、書式だけ変わる
(例:太字じゃなくなった/フォントだけ変えた…など)
検索:スタイル「見出し2」+ 置換:スタイル「標準」
→ “見出し2”を“標準スタイル”に置き換える
つまり、「見出しだったものが、ただの本文になる」!
例:スタイル「見出し2」→「見出し3」に置換する手順(文字はそのまま)
Ctrl + H
(検索と置換)を開く- 検索する文字列欄:空欄のままでOK
- 下の【書式】→【スタイル】→ 「見出し2」 を選ぶ
- 置換後の文字列欄:ここも空欄のまま
- 【書式】→【スタイル】→ 「見出し3」 を選ぶ
- 「すべて置換」
結果:
- 中身のテキストはそのまま
- スタイルだけ「見出し2 → 見出し3」にきれいに置き換わる✨
逆もOK!
- 「標準 → 見出し1」
- 「見出し3 → 強調」
おすすめ運用TIPS:
やりたいこと | 検索欄 | 置換欄 | 効果 |
---|---|---|---|
見出しの中身をまるっと書き換えたい | スタイル:見出し2 | 文字+必要なら書式 | 上書き |
見出しの見た目だけ調整したい | スタイル:見出し2 | 書式だけ(置換欄空) | スタイル維持+調整 |
見出しをすべて“本文”に戻したい | スタイル:見出し2 | スタイル:標準 | スタイル除去 |
✓注意:一括置換をするときは、実行前に保存推奨!
コメント